このページの作者について

松村洋一郎です。ブログへのご訪問ありがとうございます。
音楽とその周辺の事柄について調べたり、考えたり、書いたり、話したりしています。

主な仕事としては、クラシック音楽の入門書への寄稿などを行ってきました。
各種原稿執筆等のご依頼を承らせていただきます。
とりわけ、平易な説明でクラシック音楽に親しんでもらおうというコンセプトの原稿執筆は、積極的にやらせていただいています。
これまでのテーマの中心は、バロック期から古典派くらいまでの音楽です。
サイドバーの「執筆した出版物」もご覧ください。

また、平行して研究活動も行っています。
「大作曲家」や「名作」は、人々の評価によってその地位を獲得しますが、
その過程にどのような力学が働いているのか。
これを考えることが目下の大きな課題です。

具体的な研究対象として、近年は、日本におけるベートーヴェンの伝記の書かれ方やその影響、といったことを調べています。

プロフィール等についてはこちらをご覧ください。

ご意見・ご質問、仕事関係のご依頼等は以下のアドレスにお願いいたします。

fwna4555■mb.infoweb.ne.jp (■を@にご転記ください)
(2009.9.9記)

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ラルースさん

国語辞典のなかで、独特の用例と語釈で異彩を放っているのは、「新解さん」こと『新明解国語辞典』ですが、「ラルースさん」(『ラルース世界音楽事典』福武書店)は、音楽事典の世界で同じようなベクトルを持っているもののひとつと言えると思います。
息抜きをしていて「ラルースさん」のストレートすぎる発言をいくつか見つけたので、紹介します。

・今日なお、メンデルスゾーンを二流の音楽家とみなすことが当たり前になっている。おそらく彼の生活がいつも物質的に豊かであったことを人は許さないのであろう。
・若き日の失意と近親の死を除けば、この音楽家(ヴェルディ)の人生には興味をそそるようなことは何もないとしても(以下略)
・したがって今後は、真正のヴィヴァルディ――多様で大きくて、恍惚としてもいれば快活でもあり、汎神論的でもあれば絶対的でもあるヴィヴァルディ――を復活させるためにも、特に声楽曲に注目し、むだに多い器楽曲の演目を削除し、整理し直す時期にきているのである。
・ブラームスは、1886年、1887年、1889年の夏をトゥーン湖とユングフラウが見える場所で、このうえなくだらしのない服装で過ごした。

見たのは日本語版のみですので、訳の段階でストレート発言の度合いが変化している可能性はもちろんあります。

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といったことをTwitterで投稿したのですが、@orpheonesque さんから補足情報をいただきました。

こちらで、2005年の改訂版が公開されています。

そして、本家フランスの「ラルースさん」も非常に面白く、邦訳のせいで特に面白くなっているわけでないとのことでした(笑)。

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ランバダ動画あれこれ

先日、「音楽と/音楽のグローバリゼーション」という題目で授業をしたのですが、ポピュラー音楽の例としてランバダが世界化していく過程を取り上げました。
そこで言及した、主要と思われるバージョンの動画を、おおよそ時系列で並べてみました。
もっとも、誰がどのバージョンを参照したかということではなく、とりあえずここでは、曲の「かたち」を問題にしています。

それから、ランバダは曲かダンス音楽のジャンルか、という問題がありますが、ここではカオマのバージョンに代表される「曲」としてのランバダを扱います。

カオマの「オリジナル」といえる、ボリビアのグループ、ロス・カルカスによるバージョン(1981)。カオマのものは、ビートがはっきりしていてダンサブルですが、こちらはビートよりもメロディーの流れが重視されていて、哀愁を帯びた曲調です。歌詞はスペイン語。

ペルーのグループ、Cuarteto Continentalのヴァージョン(1984)。ここでカオマを知っている人にはおなじみの要素、すなわち、陽気な曲調、アコーディオン(カオマのバージョンではバンドネオンですが)の使用といった特徴が現れます。


ブラジルの歌手Márcia Ferreiraのヴァージョン(1986)。初めてのポルトガル語版(カオマのバージョンもポルトガル語)とされています。

多国籍のメンバーからなるフランスのグループ、カオマのバージョン。1989年にリリースされて大ヒットしたものです。映像を見ても、これ以前のものは、基本的には南米の人たち(と思われる人たち)だけが登場していて、南米ローカルという感じですが、これはいろんな人種の人が入り混じっていて、その意味でも世界化してきていると言えます。

カオマのランバダは世界的にヒットし、40以上の言語によるカバー・バージョンが作られたと言われています。日本ではこの石井明美によるもの(1990)が有名。

ジェニファー・ロペスの《オン・ザ・フロア》(2011)。エキゾチックさは後退して、米英系のポピュラー音楽(ダンス音楽)のサウンドに。もちろん英語による歌唱。

「オリジナル」のバージョンを歌っていたロス・カルカスが、ボリビアのVoltajeというグループと作った新しいバージョン(2010年)。世界化したランバダが、還流して「本家」がそれを取り入れるに至ったという(少なくともそういうストーリーを語れる)ところが興味深いところです。

この動画でちょっと面白いのは、最後にアタッシュケースで紙幣が運ばれてくるんですが、それが米ドル紙幣であるということ。これ、グローバリゼーションへの単純な皮肉や、逆に賛美というのではなくて、複雑な態度・感情が混ざっている気がします。

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博物館/資料館そして助成金/奨学金

日本にある、音楽に関する博物館/資料館にはどんなものがあるか、ちょっと気になったので、まずは、それを調べる情報源(書籍)を探してみました。

最も網羅的なのは、『全国博物館総覧』なのでしょうが、少し分野を限定したもので探したいということならば、『人物記念館事典 2(美術・芸能編)』などでしょうか。
ただ、これだと「人物記念館」なので、たとえば古賀政男音楽博物館(東京)とか滝廉太郎記念館(大分)といった類は掲載されていますが、いくつかの音大がもっている楽器コレクションなどは、『大学博物館事典』で、ということになるでしょうか。
さらに、『企業博物館事典』などに掲載されているものもあるかもしれないですね。

要は、予想していたことではありますが、基本的にはいくつかの「合わせ技」で調べるしかないというのが現状、ということでよさそうです。
『全国博物館総覧』に全部掲載されていればいいのですが、それは考えにくいですし、個人的には、「音楽に関する博物館/資料館」一覧、みたいなものがどこかにあってしかるべきだと思っています。
さらに、これを主題にした研究ももっとなされるべき、と思っていますが、その辺については、機会を改めたいと思います。
とりあえず今回は、ちょっとした状況の確認、ということで。

■『全国博物館総覧』(ぎょうせい)
■『人物記念館事典』(日外アソシエーツ)
■『大学博物館事典』(日外アソシエーツ)
■『企業博物館事典』(日外アソシエーツ)

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で、上記の件とはまったく別なのですが、上記の本を探していた際に、近くの書棚で研究者のための助成金/奨学金応募ガイドなるもの(ただし民間財団のもの限定のようですが)を発見しました。
このタイトルに関心のある方の多くは、すでにご存知かもしれませんし、私が、これまであまりそちらに関心を払ってこなかったのが丸わかりなのですが(苦笑)、紹介しておきます。
私が見たのは2011年版でしたが、探してみると、2012年度版が出ていました。

■『研究者のための助成金応募ガイド2012ーー研究助成/奨学金募集案内』(助成財団センター)

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今年(2011年)出た共著本 『よくわかる クラシックの基本』

今年、2011年に出た共著本を、紹介します。

西村理監修,沼野雄司,沼口隆,松村洋一郎著
『厳選CD100曲 よくわかる クラシックの基本』(西東社)
※以前出た『もう一度学びたいクラシック』のリニューアル版で、基本的に同内容のものですが、
判型が小さくなり、お求めやすい価格になりました。

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アマゾンのリンクはこちらです。

簡単な目次は以下の通りです。

第1章 中世・ルネサンス
第2章 バロック
第3章 古典派
第4章 ロマン派
第5章 民族主義
第6章 世紀末~第1次大戦
第7章 両大戦間
第8章 現代音楽と演奏家

このほかに、年表、コラムなどがあります。
また、本文で触れた作品の一部を収録したCDが付属しています。

本書は、タイトルからは、やや分かり難いのですが、社会史的な性格を持った音楽史の本です。
大作曲家や名曲のみならず、当時の社会・文化情勢にもウエイトを置き、それらを図表やイラストを交えて解説しています。
参考書籍、CDなども多数紹介しています。

私は第1章、第2章を担当しています。

機会がありましたら、お手に取ってご覧ください。
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本年も、今日で終わり。
多くのかたにお世話になりました。ありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。

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今年出た共著本 『楽譜を読む本』

今年もあとわずかになりました。
年が変わる前に、今年出た共著本を紹介します。

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沼口隆、沼野雄司、西村理、松村洋一郎、安田和信
『楽譜を読む本 感動を生み出す記号たち』(ヤマハミュージックメディア)

アマゾンのリンクはこちらです。
どうぞよろしくお願いします。

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簡単に内容を紹介します。
【第1章】 さまざまな楽譜の世界(ネウマの誕生で始まる楽譜の歴史/流れていく「時間」を計る方法/これも本当に楽譜!?/コラム:楽譜をめぐる映画 ほか)
【第2章】 楽譜の基礎知識(音符って何?/音名って何?/日本音楽の楽譜/コラム:絵画の中の楽譜 ほか)
【第3章】楽譜に関する20のQ&A(スコア・リーディングって何?/同じ曲なのになぜ楽譜は何種類もあるの?/楽譜はどうやってできるの? ほか)
【第4章】 大作曲家と楽譜(コピストの悲喜こもごも/大作曲家と楽譜―バッハ、モーツァルトほか/コラム:楽譜をめぐる小説 ほか)

楽譜にはどんな種類の情報がどんなかたちで書かれているか、という楽典的な内容のみならず、
楽譜とその周辺のシステム(演奏、印刷、流通etc.)に関する様々なトピックを扱っています。

また、西洋音楽のいわゆる「五線譜」に関わることが中心ですが、
その前後の時代の楽譜、そして、日本の伝統音楽や民族音楽の楽譜についても、ふれています。

なお、以下の雑誌で紹介していただきました。

『音楽の友』10月号、巻末27頁。

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本年も、多くの方々にお世話になりました。
どうもありがとうございました。

どうぞ、良いお年をお迎えください。
来年も、よろしくお願いいたします。

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「ベートーヴェンが愛した女性たち」

21日(日)19:00~20:54、BS日テレで以下の番組が放送されます。
台本のチェック等で協力させていただきました。
よろしければご覧ください。

番組は、ベートーヴェンゆかりの場所を巡って、彼の人生を辿っていきます。
特に女性たちとの関係がクローズアップされ、「不滅の恋人」の話も出てきますが、中心となる話題は《エリーゼのために》の「エリーゼ」って誰?という話。
これまでは、自筆譜を見た学者が「エリーゼ」を「テレーゼ」と読み間違えたのではないか、ということで、テレーゼ・マルファッティだろうとされてきました。

しかし昨年、音楽学者クラウス・マルティン・コーピッツ氏が、ウィーンのシュテファン寺院の洗礼記録をひとつの根拠にエリーザベト・レッケルが「エリーゼ」であるという説を発表しました。
日本の新聞でも報じられたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
ちなみに、エリーザベト・レッケルは、テノール歌手ヨーゼフ・アウグスト・レッケルの妹で、後にフンメル夫人となった人物です。
番組ではコーピッツ氏の説や反対意見を紹介しながら、「エリーゼ」の謎に迫っていきます。

【BS日テレ開局10周年特別番組 ベートーヴェンが愛した女性たち~名曲“エリーゼのために”誕生秘話】
番組の紹介はこちら

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今年出た共著本(その2) 『図解雑学 クラシックの名曲解剖』

今年出た共著本その2です。

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『図解雑学 クラシックの名曲解剖』
野本由紀夫編著、稲崎舞、松村洋一郎著
(ナツメ社 1680円)

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名曲の仕組みや仕掛けを、図と文章で分かりやすく解説します。
感じたまま楽しむ聴き方もありですが、
分析的な視点をもって聴くのも楽しいかもよ、と提案する、
「分かりやすい楽曲分析のすすめ」とでも言える本だと思います。
とりあげた曲のうち主なものは付属のCDで聴くことが出来ます。

紙面の感じは、
こちらの版元のページ、
それからこちらのアマゾンのページでご覧いただけます。

簡単な目次は以下のとおりです。
他に各種コラムもあります。
第一章 バロック音楽
第二章 古典派
第三章 ロマン派1
第四章 ロマン派2
第五章 近・現代

私はバロック~古典派(一部)の作品を担当しています。

先日、3刷になったとの連絡をいただきました。
どうもありがとうございます。
今後もよろしくお願いします!

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また、紹介してくださっている雑誌等をご存知の方は、お知らせくださいますと幸いです。

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今年出た共著本(その1) 『ベートーヴェンおもしろ雑学事典』

今年の仕事で、まだこちらに書いていなかったものを紹介します。
まずは、今年出た共著本その1です。

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『知ってるようで知らない ベートーヴェンおもしろ雑学事典』
ベートーヴェン雑学委員会(稲崎舞、永井玉藻、西村理、沼口隆、松村洋一郎、安田和信)著
(ヤマハミュージックメディア 1890円)

こちらはアマゾンのリンクです。
どうぞよろしくお願いします。

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簡単な目次をあげておきます。
第1章 ベートーヴェンをめぐる17のエピソード
第2章 ひたすら「芸術」のために
第3章 今も新鮮で感動的なベートーヴェンの音楽
第4章 不滅のベートーヴェンが残したもの
付録 これを聴けばベートーヴェンがわかる名曲名盤30
 ベートーヴェン略年譜&作曲年代別主要作品リスト

様々なエピソード(基本的に各項目2頁or4頁読みきり)でベートーヴェンを知ろうという入門書です。
はじめに生涯を概観(第1章)、次に人となりをうかがい(第2章)、
作品について眺め(第3章)、最後に後世の受容の様子を見る(第4章)、
という流れになっています。

私は主に第1章を執筆しています。

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また、以下のようにいくつかの雑誌で紹介していただいたようです。

人気、知名度において、他の作曲家の追随を許さないベートーヴェン。その魅力を知るには、収められた「知ってるようで知らない」54のエピソードがうってつけ。入門篇に最適な一冊だ。
『レコード芸術』誌,2009年12月号,369頁

・・・職業としてだけではなく、時には芸術に対峙する者として作曲に取り組んだベートーヴェンの核に迫る。・・・「ベートーヴェンはどこに住んでいた?」「ベートーヴェンをめぐる女性たち」など気になる項目が盛りだくさん。ベートーヴェンの雑学を知る上でかかせない1冊。
『音楽の友』誌,2010年1月号,巻末27頁

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珍しい媒体に原稿を書いた

出身高校の同窓会報に寄稿しました。
同じ人間が繰り返し寄稿する性格のものではないので、
おそらく最初で最後です(笑)
順次発送しているとご連絡をいただいたので、
会員の皆さんは、順次お手元に届くはずです。

こんなことをやっている会員がいます、
というのを紹介するページなので、
内容は、近況紹介、仕事の内容の説明、
なぜ今の仕事をしているか(含、在学当時のエピソード)など、
いろいろありです。

ところで、今回、原稿を書くにあたって考えてみましたが、
ウチの高校からクラシック音楽のプロの演奏家になった人は
知っている限りにおいても、何人か(も?)いますが、
音楽学を勉強した(してしまった?)人間は
ワタクシ一人の可能性が結構あります。
そこで、(土台無理な話ですが)、
自分が音楽学代表として振舞わねば、と変な責任感にかられ、
微妙に筆が重くなってしまったことでした。

「へぇ~、こんな人いるんだ」と思ってもらえれば、
まあOKなんでしょうが、会員の皆さんは、ご笑覧ください。

最後に、全くの余談ですが、ワタクシ、原稿を書いたのに、
「会報が届かなかった人」一覧に名前がある・・・
引っ越した後、連絡しなかったのだろうか。
そういえば、原稿の依頼も実家を介してだったしなあ。
おはずかしい・・・

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ブログのはじめにあたって

以前、同じアドレスで「日々の麻呂」というタイトルのブログをやっておりました。ここしばらく放ったままにしていましたが、このたび仕切りなおすことにしました。ごく普通のタイトルにしてゆるゆる再開します。

将来的にはウェブサイトを整備してそちらに学問上の業績などを掲載して、ブログのほうは「徒然草」にという感じで役割分担させる予定です。ただ目下のところサイトが出来ていないので、当面ブログが両方の役割を兼ねることになります。なので内容的に様々ですが、よろしくお願いします。

それから、リラックマを住まわせましたので、どうぞ愛でてやってくださいませ。オプションのパーツを購入して台詞と動きのバリエーションを増やしましたので(笑)

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